【一杯のコーヒー】
『コーヒーとは苦く、味の違いが分からないもの』
ある一杯のコーヒーに出会うまではそう思っていました。
そのコーヒーは酸味が強いわけではないのに鼻に抜けるフルーツの様な華やかな香りと軽やかな苦味を持つもの。
『自分もこんなコーヒーを作りたい』
そんな思いからコーヒーの研究と焙煎の毎日が始まりました。
研究の中でコーヒーの品種、収穫後の精製方法、そして焙煎で味が大きく変化する事を知る。同時に火を入れ過ぎるとどれも苦味が強く出て、個性が薄い似た味になる事も。
苦味を抑えた焙煎であれば誰もが個性を感じられるコーヒーを作れる。そしてワインのように選ぶ楽しみができるのでは?
花々のように個性豊かなコーヒーを作り、伝えることで忙しい日常の大切な余白を楽しむお手伝いができるのではないか。
そんな思いから、のちに『FLOWER CHILD』と
呼ばれるベトナム戦争下、平和を願い花を配る運動をしたヒッピー達にちなみ、
『FLOWER CHILD COFFEE 』
が生まれました。
【苦味を抑えた焙煎とは】
焙煎度は苦味の指標ではなく一つの目安に
過ぎません。
苦味は焙煎中の火のかけ方に左右されます。
味は 酸味→甘み→アロマ→苦味 の順に火の通りで変化します。
しかし豆の表面、中心とも同時に変化するわけではなくまるでローストビーフのように火の通り方が変化します。
豆の表面と内部の温度変化をコントロールし
味の複雑性を作るのが焙煎というものです。
当店の「苦味を抑えた焙煎」は特に中心部を苦味の状態まで行かないよう火を通していくものになります。
それは予熱であったりRORと呼ばれる単位時間毎の温度変化(当店は1分毎)でコントロールしていくものです。
初見の豆では先ず平均的な焙煎をし、味の特性を見極める。そして焙煎前の生豆の特徴(色や形など)
によりどの焙煎度が適正なのかを見極める。
それらの生豆の特性に合わせて火の通りを変えていき個性を引き出していきます。
ぜひ複雑に絡み合った味のコントラストをお楽しみください。